2025年05月20日
知らないうちにうつしてる?今、大人にも注意が必要な「百日咳」

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知らないうちにうつしてる?今、大人にも注意が必要な「百日咳」
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「百日咳(ひゃくにちぜき)」という名前、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
昔からある感染症のひとつで、主に「ボルデテラ・パータシス菌」という細菌が原因です。
最初は風邪のような症状で始まりますが、次第に「コンコンコン…ヒューッ」と続く特徴的な咳が出てきます。
咳は何週間も続くことがあり、それが「百日咳」の名前の由来です。
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乳幼児にとっては命に関わる病気
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百日咳の一番のこわさは、赤ちゃんへの影響です。
とくに生後半年未満の赤ちゃんがかかると、呼吸が止まるような咳の発作や肺炎を起こすことがあり、命にかかわる危険があります。
日本でも、毎年数名の赤ちゃんが百日咳で亡くなっています。
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流行は「過去最悪レベル」に
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2024年から2025年にかけて、全国的に百日咳が大流行しています。
報告数は過去最悪とも言われており、奄美でも注意が必要な状況です。
子どもだけの病気と思われがちですが、実は大人が感染しているケースが非常に多く、軽い咳だけで済むこともあるため、知らずにうつしてしまうリスクがあります。

東京都感染症情報センターより抜粋。
(https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/pertussis/pertussis/)
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大人から子どもにうつることも
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百日咳の予防接種(四種混合ワクチン)は、多くの人が子どもの頃に受けています。
でも、その免疫効果は10年ほどで切れてしまうと言われています。
つまり、大人になった今は、百日咳に対する抗体がなくなっている可能性が高く、自分では気づかないまま感染・拡散していることもあるのです。
とくに、赤ちゃんに接する機会がある人は注意が必要です。
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コロナ後は感染症にかかりやすくなる?
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新型コロナウイルスにかかったあと、免疫力が低下することがあるといわれています。
そのため、百日咳などほかの感染症にもかかりやすくなる可能性があります。
体調が戻ったつもりでも、油断は禁物です。
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大人こそ、予防がカギ
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子どもを守るためにも、そして自分自身の健康のためにも、大人こそ予防を意識することが大切です。
- 2週間以上咳が続くときは受診を
- 妊娠中・育児中の方は、任意のワクチン接種を検討
- 赤ちゃんに会う前は、手洗いやマスクを忘れずに
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「知っている」ことが、未来を守る力に
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百日咳は、正しく知れば防げる病気です。
昔の常識にとらわれず、今の流行や医学的根拠に基づいて、自分にできる対策を考えていきましょう。
誰かを守る力は、私たち大人が持っています。
まずは「知ること」から始めませんか?
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■次回予告:『奄美で暮らす私たちに必要な、“ヘルスリテラシー”って何?」』
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病院が少なくなる中で、自分と家族を守るカギは「正しい情報を知っているかどうか」。
次回は、今こそ知ってほしい「健康を守る力」についてお話しします。