2025年04月15日
月5,000円の保険よりも効く!?知らなきゃもったいない制度

ーーー
医療費こわい…でも制度を知れば安心できるって本当?
ーーー
病気やケガって、考えるだけでちょっと不安になりますよね。
「もし入院することになったら、すごいお金がかかるんじゃ…」と心配になる気持ち、よくわかります。
だからこそ、「医療保険には入っておいた方がいい」と思う人が多いのではないでしょうか。
実際、「医療保険に入っていたおかげで助かった!」という声も耳にします。
たとえば入院したときに1日5,000円の給付金が出て、結果的に3万円もらえた、など。
でもここで、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
ーーー
本当に「得」してる?保険料とのバランスを考えよう
ーーー
「得した!」という声の裏側には、毎月コツコツと支払ってきた保険料の存在があります。
たとえば、ある人が月5,000円の医療保険に10年間加入していたとしましょう。
その場合、5,000円 × 12か月 × 10年 = 600,000円。
一方で、いざ入院して高額療養費制度が使われた場合、
実際に自己負担した医療費はたとえば57,600円(※年収370万円前後の場合の上限)だったとします。
さらにそこに「5日間入院して25,000円の保険金が出た!」という話になると、トータルで約8万円のリターン。
…でも冷静に見てみると、保険料として60万円を払っていたわけです。
つまり、実際には50万円以上の差額がある、ということになります。
ーーー
「でもベッド代とかは別でかかるんでしょ?」という声に対して
ーーー
よくある声として、「でも入院したらベッド代とか食事代もかかるじゃないか」というご意見もあります。
確かに、差額ベッド代(いわゆる個室代)や食事代などは、保険適用外の自己負担になります。でもこれは、旅行や出張でホテルに泊まるのと同じ感覚で考えてみてください。
ふつう、誰かがケガしたからといって「無料で食事と宿泊が提供される」のは、現実的ではありませんよね。
入院というのは、治療だけでなく“滞在”も含まれているわけです。
だからこそ、この部分は自分で備えておく必要があるのです。
そのためには、「民間の医療保険を手厚くする」という選択肢のほかに、「貯金で備える」という方法も十分に現実的です。
ーーー
「保険=不要」ではない。助け合いのしくみとしての役割
ーーー
こういう話をすると、「じゃあ保険は全部ムダなの?」と思う方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
保険はもともと、みんなで少しずつお金を出し合い、困ったときに助け合うという「相互扶助」の考え方から生まれたもの。
病気やケガは誰にでも起こり得るもので、そのときに支え合える制度は、社会にとってとても大切です。
だからこそ大切なのは、「なんとなく」ではなく、本当に必要な保障かどうかを、自分自身で見直してみることです。
ーーー
公的制度を知ることが、保険選びの第一歩
ーーー
日本には、公的な医療保険制度がしっかり整っています。
診察代が3割負担で済んだり、高額療養費制度で医療費が戻ってきたりと、
知らずにいてはもったいないような制度がたくさんあります。
こうした制度を知ったうえで、「じゃあ自分はどんな備えがあれば安心かな?」と考えることがとても大切です。
ーーー
自分の暮らしにあった“必要な保障”を選びましょう!
ーーー
「保険は安心のための買い物」とよく言われます。
でもそれは、自分の生活や収入状況、公的制度を理解したうえで選ぶからこそ“安心”になるのです。
これからは、「全部入りの保険」ではなく、「本当に必要な保障だけを選ぶ」ことがポイントになる時代かもしれません。
保険も貯金も、制度の活用も、自分らしいバランスを見つけていけるといいですね。
ーーー
高額療養費だけじゃない!医療や生活を支える制度いろいろ
ーーー
医療費や生活を支えてくれる公的制度は、実はたくさんあります。
たとえば、1年の医療費が一定額を超えたときは医療費控除で税金が戻ることも。
働けない期間が続く場合には、会社員なら傷病手当金で給与の約2/3が支給されます。
退職したときの失業手当(雇用保険)、重い病気や障害を負った場合の障害年金、家族に万が一のことがあったときの遺族年金なども、大事な支えになります。
どれも「知らないと使えない」制度ばかり。
少しずつでも仕組みを知って、安心の選択肢を増やしていきましょう!
ーーー
【 次回予告:制度をフル活用するなら!マイナンバーカードのススメ 】
ーーー
マイナンバーカード、せっかく作ったのに「身分証代わりにしか使ってない…」という方、多いのでは?
実はこのカード、公的制度を活用するうえでとっても便利なんです!
次回は、医療費控除や年金、各種手続きに役立つマイナンバーカードの活用術をご紹介します。
Posted by 奄美のとある医療従事者 at
07:04